研究会
第2回研究会「「シュンペーターから見た現代資本主義の未来-クラウドファンディングはシュンペーターの「銀行家」か?-(瀬尾崇准教授)」」を実施しました。
第2回デジタル社会構造・変革研究部門研究会では瀬尾崇准教授が「シュンペーターから見た現代資本主義の未来-クラウドファンディングはシュンペーターの「銀行家」か?-」を報告しました。
シュンペーターは資本主義的発展の原動力として「企業者・新結合・信用創造」の3つを重視していますが、信用(購買力・支払手段)を創造する銀行家が経済発展には重要であり、その存在によって企業者による新結合の実践が現実のものとなると考えられています。なおシュンペーターは、「銀行は独立して客観的な視点から信用の使途の可能性を見極めなければならない」としていることから、クラウドファンディングにおいては出資者である個々の市民が企業者たるスタートアップの事業内容を適切に判断し、資金提供をする必要があります。また企業者としては一般大衆からの出資によるリスク分散によって新結合遂行のハードルが下げられることから、クラウドファンディングは現代日本に求められているイノベーションの実現に効果的な制度であると考えられます。